

やかましい + ワイシャツ = やかまシャツ。ワイシャツは街中の社会人が必ず着ていると言っても過言ではない代物だ。着ることが当たり前であり、自分自身を仕事に拘束させる檻のような存在であるかもしれない。そのイメージや朝の忙しい時間のためにぞんざいに扱う人も少なくないだろう。しかしそのワイシャツがもし喋ることができたら、普段の思いを口にすることができたなら、一体何を言葉にするのだろう。
このシャツを着るときは大事に、そっと着なければならない。乱暴に扱うと「痛っ」「やめて」などと喋り始めるし、時には破ける音と感触がすることもある。このシャツを着ることによって、普段自分が着ているシャツも労るようになるかもしれない。


この作品ではArduinoとProcessingを使用した。Arduinoにジャイロセンサーを接続し、傾きの度合いによって音声や振動がするようになっている。Arduinoはシャツ右腰のあたりに仕込まれている。そこからシャツに縫い込まれた導電糸を伝わり、肩甲骨のあたりに仕込まれた振動モータに接続されている。聴覚と触覚に訴えかける作品となった。