
ルネ・マグリットの「人の子」「世界大戦」「山高帽の男」の世界観が体験できる作品である。隠されているものが人の顔であることはわかるが、どのような顔なのかはわからない。こちら側から見えているものが他のものを隠してしまっている、見たい気持ちが他のものを見えなくするそんな葛藤を表現している。「magritte 2017」はそのような葛藤をPC上でリアルタイムで再現できる。自分の顔や隣の人の顔が不思議な画像で隠れてしまうが、実際にそれを体験しているときの顔、表情は見えなくなってしまうのだ。


左から順に「世界大戦」、「人の子」、「山高帽の男」 これらの中で人の顔を隠しているモチーフをもとにオブジェクトを設定した。



ソフトは Processing を使用している。カメラで何も写っていない背景を読み込ませたあと、物体が入り込むことを輝度の差分で検知する。検知された物体の肌色部分を顔と設定し、そのの重心に画像を表示させている。画像の大きさは取得した肌色のピクセル数で決まる。つまり顔を近づけることで肌色のピクセルの検知数が上がり画像もそれに合わせて大きくなる。画像の種類は検知部が画面上のどの位置にあるかによって異なる。写真のように画面を三等分して左、中央、右 の部分に肌色のピクセルが存在すると、それぞれアジサイ、リンゴ、ハトが表示される。